エリザベス・ウォーレンの"All Your Worth"という本での家計計算式
エリザベス・ウォーレンという学者・政治家がいます。
ニュースとかドキュメンタリー映画とかでたまにでてきて、左派という印象を持っている人も多いと思います。
アメリカの2020年の大統領選にも、途中まで参加して撤退していました。
その人の出した家計再生本のAll your worthという本があります。
私は原著を2011年くらい前に読んで、いい本だなーと思いました。
All Your Worth: The Ultimate Lifetime Money Plan Elizabeth Warren (著), Amelia Warren Tyagi (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/0743269888
この本では、出費を3つのカテゴリに分けます。
Must-have 必需品
Wants ほしいもの
Savings 貯金
で、この比率が50:30:20だとちょうどいいとしています。The balanced money formulaと本の中では呼ばれています。
そうすれば維持可能であるとされています。
もちろん貯金の比率がこれより上がるのは問題ないのですが、目指すのは上記の比率ということです。
Must-haveですが、固定費という言い方もできると思います。急に収入がなくなった場合も、削ることのできない出費です。
Wantsは、急に収入がなくなった場合に、削ることのできる出費です。
Savingsは、残りです。
外食はWantsですが、自炊の材料はMust-haveとかになります。大衆車はMust-haveですが、高級車はWantsになります。
3つを計算する時に、まずMust-haveは積み上げて一つづつ計算します。大変ですががんばりましょう。
次に、貯金を出します。年金への支払いはプラス、借金返済はマイナス、クレジット残務はマイナス、というふうに積み上げるようです。
(現金だけで考える場合、毎月末日の総現金を前月末日の総現金と比較すれば貯金額は出せそうな気がします。)
Wantsは積み上げて計算する必要はありません。
収入 - Musthave - Wants = Savings 
が式なので、移行すると
収入 - Musthave - Savings = Wants
となりますので、収入からMusthaveとSavingsを引けばいいのです。
借金返済とかはSavingsのところからします。
借金は「Borrowing from tomorrow」であるとされており、できるだけしないほうがいいとされています。
余ったお金はどんどん借金返済に回して、収入を全額自分のために使える状況を目指そうとしています。
アメリカのクレジットカード地獄の記述とかもあり興味深い本です。
ちなみに住宅ローンと車のローンだけはOKとされています。
貯金が20%とか無理じゃ!という方も多いと思いますが、家計見直しのヒントとしてとてもいい本だと思います。
Amazon comのレビューページを見ると、この本に対する情報がもうちょっと手に入るかもしれません。
https://www.amazon.com/dp/0743269888/
なぜこの記事を書いたかというと、all your worthのmust haveとwantsとsavingsの関係が明確でわりといいなと思ったからです。
日本だと横山光昭氏の家計本が人気あると思うのですが、彼の場合は家計を「消費」「浪費」「投資」の3つにわけるとしており、ウォーレンの本より出費に色をつけている面が強調されている感じがして個人的には好みではありません。
年収200万円からの貯金生活宣言 (横山光昭の貯金生活シリーズ) 横山 光昭 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4887597045
(とはいえ、横山氏の本で2008年くらい前にVISAデビットカードについて知り、それからずっと便利に使っているため横山氏の著書にはたいへん感謝しております。)
all your worthは、標準的なアメリカ人の家計観とはだいぶかけ離れている内容のような気がします。
また、すべてのアメリカ人がall your worthの提案に従って無借金生活をすると、アメリカ経済の形は大きく変貌してしまうような気がします。デメリットも大きいかもしれません。
合成の誤謬という用語もありますが、ミクロでは合理的でもそれを積み上げるとマクロでは非合理的になるということもあります。
そうはいっても、All Your Worthは個人(家族)に対する家計アドバイスとしては、かなり良心的な部類に入る本だと思います。